病態修飾薬の出現
早期発見・早期治療
何より予防

認知症の早期発見・予防・治療研究会

わたしたちは「認知症の早期発見、予防・治療研究会」を通じ、
同様の趣旨で活躍されている団体・個人などと連携・協働しながら、
認知症のあらたな早期発見、予防・治療のための選択肢を提示するための活動を展開しています。

設立趣意書

代表世話人:田平 武
認知症の早期発見、予防・治療研究会
代表世話人
田平 武

順天堂大学大学院 認知症診断・予防・治療学 客員教授
メモリークリニックお茶の水、
くどうちあき脳神経外科クリニック、岐阜河村病院

我が国は高齢者人口の増加により認知症患者数が増大しており、2024年5月8日に行われた厚生労働省の認知症施策推進関係者会議に九州大学二宮利治教授により提出された資料によりますと、全国4か所で行われた認知症およびMCIの有病率悉皆調査の結果をもとに推計した2022年の全国認知症患者有病率は12.3%, MCIは15.5%でした。これをもとに2025年の認知症患者は471.6万人(有病率12.9%), MCIは 564.3万人(有病率 15.4%), 2040年の認知症患者は584.2万人(有病率14.9%), MCIは 612.8万人(有病率 15.6%)と推計されました。2022年で見ると、2012年の予測より認知症+MCIの患者数は変わりませんでしたが、MCIが増加、認知症が減少しており、認知症予防施策がある程度効を奏していると思われます。

高齢者の認知症で最も多いアルツハイマー病は研究が進み、ようやく疾患修飾薬が開発され治療が可能になってきました。しかし病気を治すことはもとより進行を止めることはまだできず、予防するに越したことはありません。MCIの段階で、あるいは認知症を発症した場合できるだけ早期に発見し、進行を少しでも遅らせることが重要です。

アルツハイマー病の早期発見方法としてはアミロイド/タウイメージングや血液・髄液のAβやタウの測定により可能になりました。しかし費用や手技上の問題により広く応用されるには至っていません。最近バイオマーカーその他の研究が進み血液その他による診断も可能になりつつありますが、まだまだ研究が必要な状況です。

予防・治療法としては生活環境の改善やサプリメント、音楽療法、脳トレ、運動療法など、従来の医療・治療法にとらわれないさまざまなアプローチが提案され、試行がなされています。しかし、これらについての理論や効果の測定・判定等に十分な科学的・医学的な検証がなされているとは言えず、さらなる研究が必要です。消費者庁は2015年食品・サプリメントの機能性表示を認め、現在6000種を超える登録が行われています。中には重大な副作用を引き起こしたものがあり、このような事態を防ぐためには継続して研究を推進し十分な安全性と有効性を示すエビデンスを積み上げる必要があります。

これら様々な問題に対処するために、我々は「認知症の早期発見、予防・治療研究会」を設立し活動してまいりました。目的達成のため多職種による研究成果発表・討論の場として研究会を年2回開催しており、その研究成果はホームページ上で公開しております。大きな学会とは異なり関係者が集まり密接な情報交換ができる場を提供するという立場を堅持しております。また、不定期ではありますが研究成果を市民公開講演会などを開催してアウトリーチに努めております。

私どもの取組みが、最終的には認知症予防・治療への一助となり、多くの高齢者にとってあらたな予防・治療の選択肢を提示できるようになることを目指して、同様の趣旨で活躍されている団体・個人などと連携・協働しながら活動を展開していきたいと思います。是非ともご賛同ならびにご協力のほどよろしくお願いします。

令和6年6月(改訂)

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